蒸気機関車誕生物語

ISBN:4876872597
本書は、蒸気機関車その物の開発に関することだけでなく、そこに至る産業革命以後の工業技術の発達とそれに伴う商業・政治などの動きも交えて解説している「研究序説」としての内容。
本書で、いろいろないままで知らなかったことを知ることができた。
英国(イングランドではなくブリテン)において公共事業の民間活力活用が現在行われているが、もともと有料道路(ターン・パイク)や運河は政府(王室)の許可を得て民営事業として行われていた。今のイギリスは古い時代の経営に戻ったような面もあるのだから、民活導入もスムーズに行くのだろうか?
また、蒸気機関車誕生までの間にいろいろ技術革新が行われているが、端緒は時計工業における技術の進歩であった。時計の精度を上げる過程で加工技術も進歩している。それらの一つ一つの技術革新が積み重ねられて現在の工業は成り立っている。
本書は、学術的とまではいかないが、できるだけ典拠にあたり、著者の推測推論を得ないで純粋に英国における工業発展の歴史として参考にすることができる。