「シャーロック・ホームズの 失われた冒険」

シャーロック・ホームズの失われた冒険

シャーロック・ホームズの失われた冒険

いわゆるパスティーシュ(偽典)のひとつだが、注目すべき点がいくつかある。

  1. 「最後の事件」から「空家の冒険」までの空白期間を扱う。
  2. 主な物語の舞台となっているのはチベット
  3. 原作はチベット人「ジャムヤン・ノルブ」によって書かれている。
  4. 「正典」の雰囲気を壊さないように偽文体でかかれている。

他にもパスティーシュは日本人が書いたものなどいくつか読んだことがあるが、この物語はなかなかよくできている。コナン・ドイルはオカルトの研究で有名だったので、精神世界や宇宙からやってきたものの表現はドイルも草葉の影で喜んでいるだろう。
また、ビミョーに「ハリー・ポッター」物を意識しているような気もする。(訳者もそのようなことを書いている。)
シャーロック・ホームズ好きの方には一読をお勧めする。